シューゲイザー、ネオアコ系POP、80年代洋楽を中心としたCDレビュー
The Life Pursuit / Belle & Sebastian


■色とりどりの音の果実を、じっくり時間をかけて煮込んだ音楽のミックス・ジャム。素材の良さを十分に生かした上品な味わいで、聴きこむごとに脳みそを甘酸っぱく溶ろかします。本年1月でバンド結成10周年を迎えたベル・アンド・セバスチャンの7thアルバム。全体的に60〜70年代のロック/ポップミュージックを思わせる温かみのある雰囲気で、なおかつ音だけでもこれほど雄弁にストーリーを語れるバンドはやはり彼らを置いてそう他にはいないでしょう。

■いかにもベルセバらしい幕開けのM1、M2から、多幸感溢れる女声コーラスが麗しいM7、ちょっとスティーリー・ダンを思わせる新機軸M8、ベルセバといえばこれ!の柔らかいブラスに思わず頬がゆるむM5、ヒット・シングルのM9、などなど、まさに捨て曲無しの大傑作。繊細で文学的な歌詞(というよりは「詩」と書きたいですよね)にも磨きがかかり、ますます深みを増しています。音符のひとつひとつ、トラックの細部にいたるまで丁寧に手がかけられ、どの曲からも音楽への愛情がキラキラと溢れ出す本作。おそらく2006年のベストに・・・いやいやさすがにそれはまだ早いでしょうか?でもそれほどに素晴らしいというわけで。またしても最高の音楽をありがとう、ベルセバ!

■シニカルでユーモアあふれる「ファンとベルセバのQ&A」や全曲歌詞を収録した32ページブックレットも美麗です(海外初回限定版と国内盤のみ)。

■公式サイトはこちら ⇒ ++Belle and Sebastian++

■全曲試聴はこちら ⇒ CD Universe - Your Online Music Store

■ジャケットがあまりに美しくて、このアナログシングルも買ってしまいました。7インチという懐かしいサイズにこのアートワークが何ともいとおしい。


Funny Little Frog / Belle & Sebastian (リンク先はCDシングルです)

テーマ:洋楽 - ジャンル:音楽

As Found / Fugu


■フランス出身、メディ・ザナードによるソロ・ユニットFUGU(フグ)のセカンド・アルバム。かねてから交流の深いTahiti80のメンバーの参加により、彼らのサウンドにも通じるカラフルで温かみのあるポップ・アルバムに仕上がっている。デジタル色はほぼ皆無のアコースティックな音作りで、口当たりの良いフランス菓子のような上品な味わいの佳曲揃い。曲想や歌い回しなどキリンジ堀込泰行氏を思わせるところもあって、「馬の骨」やキリンジ、Tahiti80はもちろんのこと、トッド・ラングレンやベル&セバスチャンまで、良質のポップ・ミュージックを愛する幅広い音楽ファンに受け入れられるに違いない。春遠からじ・・・そんなふわりとした心地よさに包まれる、東風薫る桜色の一枚。

■Tahiti80が選曲したコンピレーション「Unusual Sounds For Levi's(R) Selected By Tahiti 80 」の2曲目に、本作の1曲目「Here Today」が収録されていることからも、彼らの強力プッシュ&レコメンドぶりが分かるだろう。ブログ内関連記事 ⇒ 購入音源1210

■試聴はレーベルサイトから(「Here Today」と「Blackwall」の2曲) ⇒ 3rd Side Records ※TOPページ右下の「ENTER SITE」から入って、表示された画像のドラムセットをクリックするとFUGUのページにたどり着きます。「Songs」というところの曲名クリックにて、ダウンロード完了後に曲がスタートします。

■公式サイトはこちら ⇒ FUGU Website

■先日2月7日、飯田橋の東京日仏会館にて彼のカフェ・ライブがあり、HMV購入特典のチケットで僕も仕事帰りに観てきました(間違えて恵比寿の日仏会館に行ってしまい大焦りしたことはさておき・・・)。会場はレストランの座席を片付けたにわか仕立てながらも観客はぎっしりで、彼の人気のほどがうかがえます。このセカンドからの曲を中心とした1時間弱のライブ。前半はエレピおよびギターの弾き語り、後半はピアノの弾き語りで、演奏や歌も文句無しの素晴らしい内容でした。良い曲は楽器ひとつと歌だけで十分なんだ、そんな当たり前のことを実感したライブでした。

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Mineral / Jesse Harris (+その他購入音源)


■ジェシー・ハリスはノラ・ジョーンズの大ヒット・チューン「ドント・ノウ・ホワイ」を作詞・作曲(ギタリストとしてもレコーディングに参加)したNY出身ブルックリン在住のシンガー・ソングライター。本作は彼が自ら設立したレーベル「シークレット・サン・レコーディングス」から発表した第一弾アルバムだ。

■タイトルの「ミネラル」からもイメージされるとおり、本作はオーガニック&フォーキー、ジャジーでアーシー。優しい音のミネラルを慈しみながら味わえば、乾いた心もゆっくりと潤いを取り戻す。

■本日HMV渋谷店で行われたインストア・ライブは、ジェシーの温かい人柄が自然と伝わってくる素晴らしい内容でした。ギブソンの小ぶりなアコースティック・ギターを爪弾きながら、誠実にメロディーを紡ぐ繊細で力強い歌声は、目の前で聞くとよりいっそう胸に沁みわたります。ご参考までにセット・リストを。(1)Slow Down (2)No More (3)Corrina Corrina (4)Somewhere Down The Road (5)This Is Goodbye. 今回もCDにサインを貰いましたが、その時の屈託の無い笑顔もとても印象的でした。

■公式サイトで全曲試聴可能 ⇒ Jesse Harris

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その他、最近の購入音源をメモっておきます。

1. BLKTOP PROJECT / ray barbee, tommy guerrero 他
2. Silent Love / GOTA
3. Cardiffians / Devine & Statton
4. The Prince Of Wales / Devine & Statton
5. as found / fugu
6. Antonio Carlos Jobim / Antonio Carlos Jobim
7. Lilys / The Lilys
8. Whatever People Say I am, That's What I'm Not / Arctic Monkeys
9. Rotten Love / Levy
10. Nothing's Lost / Styrofoam
11. A Heart Without A Mind EP / Styrofoam
12. I'm What's There To Show That Something's Missing / Styrofoam
13. Shaun Harris / Shaun Harris
14. I Love 1984 / Geyster
15. Keep Breathing / The Durutti Column
16. Harmonograph / Boo Hewerdine

8,9はzumaさんお薦め、11〜12はazzaroさんのお薦めの作品。感謝です!じっくり聴いてレビューしたいと思います。

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snow / The Trash Can Sinatras

※上記画像のEPは入手困難の様ですので、リンク先は同曲収録の別アルバムとなっています。


■東京でも雪が降った日の夜。僕は屋根裏部屋の小さな窓から、水銀灯に照らされていっそう白さを増した町並を眺めながら、この曲を繰り返し聴いていた。スノウ。タイトルがあまりにもそのまますぎて少し気恥ずかしい気もしたけれど、全ての音を吸い込んですっかり無口になった風景と、少しだけ話をしたくなって。そういえば1999年にリリースされたこのシングルを、雪の日に聴いたのは初めてだった。ふわふわと柔らかく揺れるギターと、ちょっぴり頼りないほどに優しい歌声の魔法で、降りしきる雪もいつしかあたたかくて白い羽毛に生まれ変わっていた。

■トラッシュ・キャン・シナトラズ。スコットランド出身のこのキャリアの長いグループを、サニーデイ・サービス時代の曽我部恵一が、共同プロデューサーとして好サポートしている。

■試聴サイトがどうしても見つからなかったので、ほんのさわりだけですがこちらで・・・ ⇒ snow [ 704kb / 44sec ]

■以前にも書いたことがあるけれど、僕はこの曲が大好きで色々なカヴァーを集めている。ランディー・ニューマンのペンによるこの曲が最初にレコーディングされたのは、1967年のこのアルバムではないだろうか。Harpers Bizarreによるソフトロックの名盤「Anything Goes」。ドリーミーなオーケストレーションの美しさ。


Anything Goes / Harpers Bizarre (試聴可能 >> 6曲目)


■そしてクロディーヌ・ロンジェ1968年の3rd、A&Mレコードの名作「恋は水色」。フランス語なまりの舌足らずな英語が甘く切ない。


Love Is Blue / Claudine Longet (試聴可能 >> 10曲目)


■こちらは1970に発表されたHarry Nilssonの「Nilsson Sings Newman」。CD化された際のボーナス・トラックとして収録。ニルソンの温かい歌声と、彼の敬愛するランディ・ニューマン本人のピアノ伴奏のみによるシンプルな構成で、飾りを捨てた曲の美しさがストレートに胸を打つ。


Nilsson Sings Newman / Harry Nilsson (試聴可能 >> 11曲目)


■時は変わって2002年、Space Kellyがドイツ語でこの曲をカヴァー。タイトルも「Schnee」となっています。試聴サイトが見つかりませんでしたが、2月20日発売予定のカヴァー・アルバム「My Favorite Songbook」に収録されます。


My Favorite Songbook / Space Kelly


■他にこの曲のカヴァーをご存知の方は是非お教え頂けると嬉しいです。

DSC01002.jpg

■冒頭の屋根裏部屋(メゾネット2F部分)から見た雪景色。北海道育ちの僕にとって雪はとても親しいものですが、その怖さも十分知っています。豪雪の被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。

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Set Yourself On Fire / Stars

↑Amazonにて全曲試聴可能


■聴いていて心から幸せな気持ちになりました。カナダはモントリオール在住の男女ボーカルを中心とした5人組、スターズよる3rdアルバム。ブラスや弦を導入したアコースティックな楽曲から、ピコピコシンセが可愛らしいニューウェイヴ風サウンドまで、プリファブ・スプラウトやセイント・エティエンヌにも通じる高品質のピュア・ポップ。M-3など聴くと、意外にもLUSHやルミナス・オレンジなどのシューゲイズ的な雰囲気も持っています。緩急のあるアルバム構成や、曲のあちこちにちりばめられたユニークなサウンドも楽しくて、繰り返し聴いても飽きません。実は昨日からこればっかり聴いているのです。

■メロディー良し、アレンジ良し、ヴォーカル良し、歌詞にも深みがあって(耳心地の良い音ですが歌詞はなかなかシリアスです)ミックスも完璧、と4拍子も5拍子も揃った、文句の付けようが無い大傑作。ドリーミーなポップ・サウンドが頭から尻尾までぎっしり詰まっていて、コレは本当にお奨めです。美味!yummy!!

■なんてすっかり興奮していますが、実は本作、音楽的朋友のzumaさんが2005年のベストワンに挙げていて慌てて購入したもの。一曲ずつ丁寧に解説されたzumaさんの記事でさらにお楽しみください。 ⇒ 本作「Stars」に関する記事 と、今年の洋楽ベストアルバム10枚!(2005年) @ あれこれ何とか好奇心 by zumaさん(zumaさん素晴らしい作品のご紹介、本当にありがとうございました!)

■レーベルによる公式サイトはこちら ⇒ Arts & Crafts : STARS

■2005年8月29日、PARADISOでの貴重なライブ映像。1時間以上/全16曲が無料で視聴できます ⇒ Fabchannel.com ※おそらくBloc Party等の画像が表示されると思いますが、ページ右側にあるトラック・リストをクリックにてStarsの曲が視聴できます。

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■遅ればせながら、最近聴いたものの中でも5本の指に入る素晴らしさでした。1stや2ndも手に入れなくては!!

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